プレスリリース
2008年9月25日
低位相雑音・低ジッタ特性の
GHz帯高精度SAW発振器を開発
エプソントヨコム株式会社(社長:宮澤 要)は、GHz帯(800MHz~2.5GHz)の周波数を基本波で出力する低位相雑音・低ジッタ特性のSAW発振器(*1)を2機種開発いたしました。
2009年度上期の商品化を予定しております。
この度開発した発振器は、単出力タイプの「EG-9000GC」と電圧制御型の「EV-9000GB」となります。
これらの製品は、発振素子に高いQ値(*2)、低挿入損失、高い耐電力特性と優れた周波数温度特性を持つNS-34Rを内蔵し、独自の高周波回路技術を駆使することで、低位相雑音(*3)・低ジッタ(*4)特性、優れた周波数温度特性のSAW水晶発振器を実現しております。
位相雑音については、オフセット周波数の低い領域(概ね500kHz~1.5MHz以下)では、NS-34Rの高いQ値特性を活かすことにより、オフセット周波数の高い領域(概ね500kHz~1.5MHz以上)では、NS-34Rの高い耐電力特性を活かし発振ループ中の信号レベルを大きくすることにより、低減化を実現いたしました。
また、発振器の周波数温度特性は、従来の誘電体発振器と比較して1/5、STW(*5)水晶を使用した発振器と比較しても1/3と非常に安定しております。
「EG-9000GC」、「EV-9000GB」は、特に通信、計測などの高周波、高精度クロック (低位相雑音・低ジッタ特性・優れた周波数温度特性)、を必要とするアプリケーションにおいて、性能向上の実現に貢献いたします。また、マイクロ波帯を応用した市場において、様々な新技術発掘や、新商品開発に貢献できることを期待しております。
- 1)基本波発振で800MHz~2.5GHzまでの周波数に対応
- 2)「高いQ値」と「高い耐電力特性」を併せ持つ新開発SAW共振子が可能とした低位相雑音・低ジッタ特性
- 3)新開発SAW共振子の優れた周波数温度特性を活かした高精度発振器
- 4)3V、35mAと低消費電力設計
| EG-9000GC | EV-9000GB(電圧制御タイプ) | |
| 周波数許容偏差 | ±150×10-6 Max. | |
| 周波数可変範囲 | - | TBD |
| 動作温度範囲 | -20 ~ +60 ℃ | |
| 出力周波数範囲 | 800MHz ~ 2.5GHz | |
| 電源電圧 | 3.0 V | |
| 消費電流 | 38 mA Max. | |
| 出力波形 | sin-wave | |
| 外形寸法 | 10.0×10.0×2.8t mm Typ. | 14.0×9.0×2.8t mm Typ. |
(*1) SAW発振器
表面弾性波を用いた水晶振動子を用いた発振器。高周波を基本波にて発振可能なため、低位相雑音・低ジッタ特性を得ることができます。
エプソントヨコムでは、SAW共振子を1997年に商品化し、市場へ提供してきました。
また、2002年より、弊社オリジナル技術によって、二次温度係数が一般的なSAW共振子(STカット)の半分以下の優れた周波数温度特性を実現した商品を提供しております。
(*2) Q値
主に振動の状態を現す無次元数。弾性波の伝播においては、媒質の吸収によるエネルギーの減少に関係する値です。振動においては、一周期の間に系に蓄えられるエネルギーを、系から散逸するエネルギーで割ったもので、この値が大きいほど振動が安定であることを意味しています。
(*3) 位相雑音
水晶発振回路の内部および外部環境(雑音)により発生する発振周波数近傍の不要なエネルギー放射。この数値が高いと無線信号の送受信エラーが発生します。
(*4) ジッタ
クロックの周期ゆらぎのことで、画像の揺らぎやデータ転送でのビットエラーなどの原因になることがあります。
(*5) STW
横波の表面波の一つで,STカット水晶SAWの1.6倍音速が速いので高周波化に有利です。
一方、周波数温度特性はSTカット水晶よりやや劣ります。
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